愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

66通目、新しい出会い3

妻へ

新しい出会いは、今も新しい出会いのままです。
いや、実はすこし変化したかもしれません。

当初、ぼくの新しい出会いは、高校生の恋のように、そのひとに会いたい、話したいと思うようなあり方でした。

今は、ぼくの胸から出る糸は彼女にピンと惹かれています。たるむことなく、張り詰めることもなく、適切な距離で適切な力強さで、糸は惹かれています。
つまり一言でいえば、素敵な日常と化しているということです。

もしかしたら、彼女もぼくに近しい親しみを感じているのかもしれません。
彼女に今言い寄っている男が、彼女へ強引な誘い方をしたとき、その男でなくぼくと話していたいという気持ちになったと、彼女は言っていました。
ぼくのような独身の男を見つけたいとも言いました。

全ていつもの笑い話の会話のなかでです。

でも、冗談や笑い話やおどけた表情のなかに、わずかな湿り気を込めたり感じたりすることは、初々しく瑞々しい恋愛感情に起因していると言えそうです。

ぼくが独身なら、彼女を傷つけずにともに過ごすことができるのに、と思っています。

今の自分に思うのことがふたつあります。

新しい恋に胸を躍らせ、彼女を愛する力量が自分に満ちているかのように思う今のぼくは、しかしそれはあなたとの長い年月によって育まれた自信がもとなのです。
あなたとすごした楽しく甘酸っぱい長い時間があって、今のぼくがあります。
そのことは決して忘れられるべきでない真実です。

もうひとつ。
結局、ぼくの心はいつかあなたとあのひとへの恋慕を水面へと浮上させるだろうということです。

彼女とLINEで会話を交わしながら、どこかで、あのひとのことも考えています。
ぼくの人生はどこかで、あのひととともに過ごす自分と、そうでない今とに分岐しました。

同じことが、今の新しい出会いにおいて、起こるわけではないだろうと思います。