愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

46通目、あの日電話にて2

金曜日の夕方、ぼくはかのじょに電話をしました。
あらかじめメールで予約をとって、相手の仕事の都合のよいタイミングを見計らって。

あなたにプロポーズしたときと同じくらい、緊張していました。
もしかしたら、人生でいちばんというくらい。

ぼくが話した内容を、いま思い出してみます。





今から話すことを聞いて、嫌だと思ったら、結婚式への正体を取り消してもらっていいから。

俺、きみのこと好きだった。
ずっと好きだった。



今でも覚えてます。
このフレーズそのまま、言いました。
何度も頭の中で反復して練習して、どうにか音声に変換しました。

そしてそのフレーズのあと、

言えたーーー…

と一息吐いて脱力しました。

あのひとの反応はどうだったでしょうか。
他人の反応を待つことが、あんなに怖かったことはありませんでした。

あのひとは言いました。

嬉しい

と言いました。

いつからそうだったのと聞かれ、正直に答えると、
わたしその頃そう言われてたらコロッと行ってたのに
そうあのひとは言って笑いました。

まじで

うん

まじか

うん

そっかー

うん

このときのぼくの感情は、何よりもあなたに伝え難いものです。ここには書けません。

この電話で、ぼくは最悪の事態を避けることになります。
自分がとてもとても好きになったひとに思いを告げずに、死ぬときに後悔する、という事態。

そしてそのかわりに、薄く平たい新たな苦しみを手に入れることになりました。

この日から、その苦しみが途絶えたことは一度もありません。
自分が呼び寄せた苦しみなのだから、悲劇に巻き込まれたかのような表現は慎むべきですよね。
ごめんなさい。