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愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

45通目、あの日、電話にて

妻へ

あまり、観念的な話ばかりをしていてももやもやするだけでしょう。
今日は、この手紙を書くことになった、そしてぼくの迷いが顕在化することになった、一本の電話について告白します。

最初の手紙からずっと書いてきているように、ぼくの惑いは、あなたとつきあっている頃からうっすらとぼくの心の奥底に膜を張っているものでした。
それがためにあなたと別れたいと思うことはありませんでしたが、この思いをあのひとに伝えたいと思うことは幾度もありました。それをためらい続けてきたのは、あなたに対する誠実が原因だと思っています。(ところで、誠実という言葉の本義については、吉野弘の「雪の日に」を参照されたいです。)

婚約をしていながらあのひととふたりで会った日、あなたと結婚した日、子どもができたとわかった日…、都度、ぼくはあのひとに自分の裡に渦巻く確信に似た惑いを、あるいは惑いに似た確信を、伝えようかと考えてきました。人生の転機のごとにそれをしようとし、失敗してきました。そうしてぼくが自分自身のあなたへの愛情や、ひとりの男性としてのひ弱さを確認しながら、ようやくあのひとへ想いを伝えようとしたのが、2014年の11月でした。

中途半端でごめんなさい。続く。