読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

44通目、我が子と暮らす

妻へ

部署が異動になって、2ヶ月半が経ちます。
ぼくは知っての通り、営業が好きで、そしてそれ以上に現場が好きでした。が、これまでの活動が認められて広告宣伝の部に入ることになったのには、やはり認められた嬉しさもありました。
異動後の生活は一変しましたね。
必ず深夜まで勤務していた現場の頃と比べ、帰りは早くなり、また週休二日が約束された日々となりました。異動する前後、奥さんは喜ぶねという趣旨の話を、周囲から何度も受けました。それは全くその通りだったと思います。

ぼく自身は、働き詰めの生活が嫌だったわけではありません。むしろ歓迎していたと思います。もしかするとそこには、アドラー心理学的に言えば、家族をないがしろにしたいという目的が潜んでいたかもしれません。
現実、いまの生活になって、自分の家族との関わりを見直すことになりました。
帰りが早まり、普通のサラリーマンのように休めるようになったので、子どもと接する時間は増えました。子どもの笑顔は、何よりの宝物です。ぼくのことを呼びながら抱っこをせがんでくる我が子に、幸せ以外の感情の持ちようがありません。
さらに、あなたと子どもとの関係もよく見つめることとなります。根本にあるのはぼくが持つ以上に深い、子どもへの愛情ですが、一方、子どもにかかりきりの時間が多いためか、苛立ちがふえていることも感じます。友達同士でぶつけ合うような言葉遣いで、子どもをなじる姿を見たことがあります。

こうさせてしまったのはぼくです。言葉で制止することはたやすいですが、それは根本の解決ではありません。あなたの苛立ちを解消するには、ぼくが子どもを守るというプロジェクトに、もっと関わらないといけないのです。

そうまでわかっていながら、ぼくが自分を奮い立たせられないのは、あのひとの存在を、選択肢から消せていないからです。
そして、どうやってその迷いに終止符を打つか、決め手もないのです。
ぼくは、これ以上子どもをぼくに懐かせてよいのだろうか。