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愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

39通目、イニシエーションラブ

妻へ

ぼくたちはなぜだか、あまりセックスをしなくなっています。
すべてのセックスにおいて、男性から誘わなくてはならないという世の風情を、ぼくはなんとなく否定したい気持ちです。男性だってたまには欲しがられたいのです。

昨日、あなたは、「以前は会えないと焦りが生まれた。今は、会えないと気持ちが薄れるだけ」という旨の発話をしました。
特段悪い雰囲気のなかででも、またその話からケンカに発展するようなこともなく、その話は終わりました。後に残ったのは、特に苛立ちやショックを持たないぼくでした。

ぼくたちは、もう共同の生活を営むだけの、プロジェクトチームと化してしまったのだろうか。

もう上映がほとんど終了していますが、乾くるみ原作のイニシエーションラブという映画をひとりで見ました。
もともと原作を好きであったのと、舞台がぼくの青春の地静岡であったことでいっそう興味深く見たのですが、純粋に作品を楽しむ気持ちと並行して、イニシエーションマリッジという言葉が脳裏に浮かびました。

あなたといつかイニシエーションラブを見ようという約束をしています。
あなたがもし、ぼくと同じ言葉を想起するなら、ぼくたちはもう完了に近づいているということです。