愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

22通目、粘膜について







「女はね、粘膜で男を値踏みしてるの。何度も、何度も。」午前3時の無法地帯より。








昨日、ぼくはあなたに接触をはかってみました。
あなたは軽くそれを拒みました。

それほど欲情していたわけではないのに、ぼくはしつこくあなたに触れました。
あなたをその気にさせようと、躍起になって。
もはや、接触は目的ではありません。

あなたが声を出し、あなたが潤ったことを確かめると、ぼくは満足してしまい、あなたのなかに侵入する気をなくし、手であなたを逝かせて終わりにしました。

なんとなく、あなたがただ身体の反応に従っているだけのような気がして。

よく知ったあなたの身体のこと。
反応させるだけなら容易い。
けれど、あなたのこころを官能に連れて行くことは、できなかった気がします。
ずっと、できていない気がします。

ぼくのほうと言えば、振り返るとここのところ射精欲求以上のものであなたに触れようとしてきていない気もします。

身体の粘膜は在り処が明確です。
だから我々は簡単に、互いの粘膜で互いの価値を測りあって、自分の価値を互いにに刷り込み合うことができる。たとえば出会って5分しか経ってなくても、それはできる。

けれど、ぼくたちは、内臓よりもっと内側にある粘膜の在り処を、互いに見失ってしまっているのではないかとおもいます。ひょっとすると、もうしばらく触れ合ってないのではないでしょうか。

粘膜は、潤ってこそ粘膜たり得ます。
内臓の内側がもし乾いてしまっていたら、探してもそこに粘膜はありません。

まずは、濡らすことから。
もしもぼくたちが、互いに触れ合いたいと思うのなら。