愛する妻への手紙

最初の手紙から読んでください。http://familin2006.hatenadiary.jp/entry/2014/11/25/093359

75通目、二重の失望

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 思いがあふれたら どうやって 君に伝えたらいいんだろう 横にいるだけじゃ だめなんだ back number 『わたがし』より 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 朝帰りの電車のなかです。 最近こういうことが多くてごめんなさい。 昨晩は、気のお…

74通目、calling

君がいるなら 戻って来よう いつでもこの場所へ B'z 『calling』より 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ここ数ヶ月で、ぼくは気付いていました。 ぼくにあなたを裏切ることはできない。 内心が別の女性を希求していることがすでに裏切りだと指摘されれば、 そこに反駁の術…

73通目、あなたのことはそれほど

あなたのことはそれほどという不倫をテーマにしたドラマ。 おそらく世間で話題になっているのと同程度にぼくの近辺でも話題になっていて、 それだけならぼくは何の関心も持たなかったものの かつてすこし読みたかったいくえみ綾作品となれば、 ドラマに関心…

72通目、金曜夜大手町にて

妻へ ぼくの誕生日にあなたがプレゼントをくれたことなどに差し置いて、別の話について語ることを許してください。 北海道にいた頃の友人たちと会って来ました。 友人と言っても当時ぼく自身が仲良くしていたわけではなく、どちらかと言うとあのひとを通じて…

71通目、来る手紙

妻へ もうすぐぼくの誕生日のようです。 歳を取るのはいやですね。 気持ちは若いまま、考え方は幼稚なまま、身体だけが歳を取っていく。 ほとんど自動的に新しい知識や考え方を吸収できた若い頃と異なり、30を過ぎた人間の成長は、歳を取っていく身体に精神…

70通目、困難な結婚

妻へ 内田樹、と言っても通じないものとは思います。 マチネの終わりに、夫のちんぽが入らない、に続く結婚について考えさせられる本3冊目は、文字どおりに結婚についての書籍でした。 内田樹は教育について語ることも多く文章はわかりやすいため、愛読して…

69通目、夫のちんぽが入らない

妻へ 夫婦の絆に、セックスは重要な要素だとぼくは思っています。ぼくがそう思っていると、ぼくのあなたへの欲望の仕方から、あなたも感じていることでしょう。 ここ数ヶ月で言うなら、あなたのコンプレックスそのものである、あなたの体のある部分へのコン…

68通目、マチネの終わりに

あなたへ。 もう年末のことになってしまいますが、平野啓一郎の本を初めて読みました。 マチネの終わりに。 本屋の書評から気になっていましたが、友人が勧めてくれて一気に読書欲が湧きました。 大人の恋の葛藤の話です。 ぼくは、この物語の主人公のように…

67通目、覚悟

妻へ あなたとの旅の最中にこれを書いていることを正直に伝えておきます。 あなたへ言いたいことが、たくさん積もっていることを自覚しながら、なかなかその優先順位を浮上させられなかったことが、今という「タイミング」に表れています。 4年ぶりの飛騨高…

66通目、新しい出会い3

妻へ新しい出会いは、今も新しい出会いのままです。いや、実はすこし変化したかもしれません。当初、ぼくの新しい出会いは、高校生の恋のように、そのひとに会いたい、話したいと思うようなあり方でした。今は、ぼくの胸から出る糸は彼女にピンと惹かれてい…

65通目、大切なもの

妻へあなたが、ぼくに言ったことを、そんなにも気にしていたことを知って、不覚にもかわいいなと思ってしまいました。恋われるということは、ひとの感情を動かすものですね。そうしてぼくは、真剣に考えなくてはならないことに思い当たりました。大切なもの…

64通目、言えないあなた、言えないぼく

妻へまた、長いタームをおいての手紙となりました。この間にあったのは、結婚記念日と娘の誕生日。どちらも、派手ではないけれど、優しい素敵な時間になった気がしています。よかった。一方ぼくがあなたをSEXに誘った夜、あなたがあまり気乗りしなくまた今後…

63通目、このままでいいのかな

金沢を旅する幸せな時間のさなか、ぼくたちの間に発生した小さな、すれ違いのような衝突。互いに苛立っていることはわかっています。時間の経過とともに、それをやり過ごせるかもしれないことも。どちらかというと、ぼくたちは今までそうやって過ごして来た…

62通目、だが断る

あなた自分はこんなに頑張ってるのに、なんて言うつもりはないのだけど、夫婦が夫婦らしくいられるための努力をぼくはぼくなりにしているつもりでした。うすうす、あなたの舌がぼくの舌の動きに応えないというのは感じていたことでした。あなたが、その行為…

61通目、新しい出会い2

しかしながら、とは言え、同じ人のなかに新しい出会いを発見していくのと、文字通り新しいひとに出会うのとでは、困難の程度が違います。あなたに主張してどうなることでもないのですが、ぼくに新しい出会いがありました。ぼくはそのひとに魅力を感じ、まる…

60通目、新しい出会い

~~ 愛してると君が言う 口先だけだとしても たまらなく嬉しくなるから それだけが僕にとって真実 Mr.Children 「Any」より ~~ 妻へ 初めてパソコンから手紙を書きます。 「シークレットウインドウ」なるものを使っているので、履歴からこの手紙の存在を…

59通目、手紙が好き

妻へ新しい気付きがありました。ぼくは、もしかするとあのひとの手紙が好きだったのではないか。もちろんそんなことはあなたも承知でしょう。嫌いで手紙を続けられるわけがありませんから。ぼくが言いたいのは、あのひとの手紙こそを好きだったのかとしれな…

58通目、わたがしになりたいぼくは言う

妻へ今日は帰れなくてごめんなさい。ひょんなことから、ひとり新宿のカラオケで朝まで過ごすこととなりました。基本的には寝て過ごすのですが、せっかくカラオケに来たなら歌の練習をしたいところで、プレイリスト「カラオケ練習中」の中からいくつかを歌い…

57通目、愛する妻への手紙

妻へこの一連の手紙の束に、「愛する妻への手紙」と名付け、ぼくの思考と感情を綴ってきました。インターネットで検索しても、以前は全く出てこなかったのに、最近は同タイトルで検索すると上位に表示されるようです。アルゴリズムの妙でしょう。ぼくが自分…

56通目、新しい隘路

妻へ自分のなかで、あの人への想いは、それなりにけじめがついたような気がしています。ぼくは、しかるべきタイミングで手も口も出せなかったのだし、あの人の気持ちがぼくに向くことはもうないとわかったいま、ぼくはぼくの人生をきちんと光らせねばならな…

55通目、愛と欲望の中間地点にあるSEX

割と意を決して、ぼくはあなたをSEXに誘うのですが、あまりうまく行きません。あなたがぼくのほうに近寄って来ないのは、タイミングの問題だけでしょうか。あなたは女性だから、もっと愛に寄ったSEXがほしいのでしょうか。ぼくは男性だから、愛の皮の内側の…

54通目、強くてニューゲーム

妻へ北海道へお忍び旅行という、ぼくにしては大胆な行動を終えた直後、選ぶはずだったひとを選べなかった無力感に、そして今も残るあのひとへの郷愁に、ぼくは打ちひしがれていました。決着がつくかと思った思考は、「ふりだしに戻る」だったと言いました。…

53通目、クリスマスに考えた人生の間違いについて

妻へ今日の企画は楽しかったように思います。付き合って10年も経つと、たいていのプレゼントはお互いに渡し尽くしてしまった感があり、だから時間と費用に制約のある中で、お互いのプレゼントを探してプレゼンするというのは新鮮でした。次回は、ハンズでな…

52通目、恋と愛について2

妻へ恋とは、いいところを愛すること。愛とは、わるいところを愛すること。と言いました。そう言うとき、あなたとぼくの相性はきっといいものだ、とも。しかし、わずかに言葉を変えるだけで、意味する景色がまったく逆になってしまうことに、気がつきました…

51通目、恋と愛について

妻へ恋と愛はどう違うか。そんな命題はよく耳にされるものです。ぼくは今まで、そんな設問には心の中でこう答えて来ました。恋とは見つめ合うこと。愛とは同じ方向を向くこと。それはそれで、今もぼくの思う真実です。しかし、もっとシンプルでありふれた答…

50通目、衝動

妻へ安心してください、という流行のフレーズから始めてみます。そうでもしないと語れない心持ちだからです。ぼくとあのひとの間に、何も起こりませんでした。というより、あのひとの視線の中に、彼女の夫以外は誰もいませんでした。一方ぼくは、ぼくの心の…

49通目、イニシエーションラブ2

妻へ北海道へ向かう電車のなかで。過去の手紙を読み返すと、イニシエーションラブについての記事がありました。あなたといつか見ようと約束していた乾くるみ原作を映画化した「イニシエーションラブ」。その約束が先日叶いました。あのとき、ぼくはこの映画…

48通目、あなたが言ったほんとのことと、僕が言った嘘のこと

妻へ明日、北海道へ発ちます。同窓会と言ったのは嘘です。あのひとに会いに。ぼくがついた嘘を、信じてくれるあなたの優しさ。尋ねず、触れず、信じたフリをしてくれるあなたの優しさ。フリというのは言いすぎかもしれない。あなたはただぼくに騙されている…

47通目、あの日電話にて3

妻へずいぶん間が空きました。前回手紙を書いてから今日までの間に、僕にはあのひとからの手紙が届き、あなたの気を悪くした無表情を見ることになりました。気のせいだろうか。それならそれでよいのだけれど。僕があのひとに想いを伝えたあの日、僕が聞いた…

46通目、あの日電話にて2

金曜日の夕方、ぼくはかのじょに電話をしました。あらかじめメールで予約をとって、相手の仕事の都合のよいタイミングを見計らって。あなたにプロポーズしたときと同じくらい、緊張していました。もしかしたら、人生でいちばんというくらい。ぼくが話した内…

45通目、あの日、電話にて

妻へあまり、観念的な話ばかりをしていてももやもやするだけでしょう。今日は、この手紙を書くことになった、そしてぼくの迷いが顕在化することになった、一本の電話について告白します。最初の手紙からずっと書いてきているように、ぼくの惑いは、あなたと…

44通目、我が子と暮らす

妻へ部署が異動になって、2ヶ月半が経ちます。ぼくは知っての通り、営業が好きで、そしてそれ以上に現場が好きでした。が、これまでの活動が認められて広告宣伝の部に入ることになったのには、やはり認められた嬉しさもありました。異動後の生活は一変しまし…

43通目、あの頃の未来に僕らは立って

スマップの夜空ノムコウの歌詞。「あの頃の未来に僕らは立っているのかなぁ」に、中学生の頃いたく感心した覚えがあります。まだ振り返る過去もないような年齢のぼくにも、その言葉が持つ郷愁の音色は感じ取ることができました。今ぼくがあなたと過ごしてい…

42通目、ふたつの緊張感

同じチームだった女の子とご飯を食べて来ました。女性とふたりでご飯を食べるのは、まあまあ久しぶりのように思います。仕事の話もそこそこに、結婚や恋愛の話に至りました。(そういう話のほうが盛り上がるよね)長く付き合っているカレシがいて、そのノロケ…

41通目、謝意

妻へたまにはこの手紙の本義に立ち返ろうかと思います。毎日お弁当の用意、ありがとう。助かるし美味しいです。掃除洗濯、ありがとう。大量の洗濯物、きちんと畳んでしまってくれてるの、感謝してます。晩御飯の支度、ありがとう。家に帰るのが楽しみです。…

40通目、切なくつらく甘い

妻へ正直に告白して、先日の日曜日に横浜へ遊びに行ったときに、ぼくの心が呼ぶのは四六時中あのひとの名でした。ぼくにとって切なくつらく、甘い響きをもったその名を、最近は申し訳なさをもって想うようになりました。それは無論、あなたとその間の子への…

39通目、イニシエーションラブ

妻へぼくたちはなぜだか、あまりセックスをしなくなっています。すべてのセックスにおいて、男性から誘わなくてはならないという世の風情を、ぼくはなんとなく否定したい気持ちです。男性だってたまには欲しがられたいのです。昨日、あなたは、「以前は会え…

38通目、あのひとの手紙と1.5

妻へあのひとから久しぶりに手紙が来ました。いつものような他愛のないような、なんでもない手紙。わざわざ手紙をくれたから、何かあったかと思ってしまった。だんなとうまくいかない、あなたといればよかった。もしそんな内容だったら、ぼくは真っ赤な顔で…

37通目、立ち返る場所

神戸に行ったときに、ぼくはあのひとへのお土産をこっそり買いました。別に後ろめたいことなど何もないので、堂々と買えばいいのに、ぼくはなぜかお土産を買ったことをあなたに言えないでいたのでした。それはつまり、後ろめたい出来事はなくても、後ろめた…

1通目、習慣

こういう泣きたいときに、あなたに会いたくなります。誰よりも。32歳なのに。

36通目、傷みの選択

妻へゴールデンウイーク、楽しかったですね。ぼくが何度か訪れたことのある神戸が、今回の行き先でした。神戸には2度の思い出があります。ひとつめは、まさにあのひとと。神戸の大学に通っていたあのひとのもとへ、たしか2泊くらいの小旅行。大阪にいる、あ…

35通目、10年の時を経て

妻へ先日、ぼくとあなたが交際を始めてから10年が経ちました。その日を、ぼくは一応覚えていたようでした。ケーキと花とプレゼントを買いました。そんな準備をしながら、あなたの喜ぶ顔を思い、ひとりにやにやしていたのも事実です。予想通りにあなたが嬉し…

34通目、苛立ちに導かれる。

あなたの苛立ちに、ぼくが苛立ちを返す。明確に言葉になっているわけではないけれど、お互いの苛立ちがお互いの苛立ちのもと起こっていると、自分の苛立ちが相手の苛立ちを喚起していると、それぞれが気付いている。そんななか、日々をすごしていく。間も無…

33通目、移ろうもの。

先日、ひょんなことで、年下の女の子とお酒を飲む機会がありました。その子は知的で明るく、話はとてもはずみました。ぼくは彼女に惹かれましたが、言葉の端々に、相手がぼくに惹かれていることも読み取れました。好きなお酒が一致したこともあり、とても楽…

32通目、あなたに嫌われる勇気

妻へ今日はきっと楽しみにしていたお花見をできなくてごめんなさい。3月は目眩がするほど忙しい。この仕事に忙しくないときなどないのだけれど、特に3月は忙しい。それで、どうしても休みたくなってしまって今日のお花見はキャンセルさせてもらいました。疲…

31通目、10年の感慨がもたらすもの。

ぼくとあなたが交際を始めてから、もうすぐで10年が経ちます。わざわざ数えていたわけではないけれど、ふとそのことに気付くと感慨深いものがあります。10年間とは、長い月日です。たくさんのことがありましたね。たくさんの言葉を交わし、手をつなぎ、心を…

30通目、あなたを呼ぶ声は風にさらわれて。

何度もあのひとの名前を、心のなかで呼んでしまいます。何がぼくをここにつなぎとめているかと言えば、いちばんにぼくとあなたの子どもです。ぼくのことを「とうと」と呼んで、だっこを要求してくるその子には、あまりに罪が無さ過ぎます。この子を片親にし…

29通目、ぼくの肉筆と君の肉声

妻へふとしたことでぼくが書いた手紙を、あなたは喜んでくれました。それはたぶんほんとうにそうだったと思いたい。やはり、やはり、肉筆が纏うニュアンスは、コミュニケーションの効率を高めるという気がします。よりスムーズに、より正確に、人の気持ちを…

28通目、囁きについて

妻へお互いに、甘美と苛立ちを往復しているという気がします。子どもが寝たあとに、白い色の入浴剤を入れレモングラスの香りに包まれて、ふたりで湯船に浸かるのは、恋人時代のような甘い心地良さがあります。そんなとき、ぼくはほかのものを手にする必要の…

27通目、文法について

「ぼく」はだいめいしです。「は」はじょしです。そうして、「ぼくは」はしゅごになります。ぼくは。ぼくは。ぼくは。そのあとに、どんなじゅつごがつづいても、 「あなた」がもくてきごであるかぎり、それはきっと、あいのしょうさ。たとえじゅつごが、「き…